アーシング


アーシングとは?

何がいるの?

圧着端子の取り付け

アーシングの取り付け


アーシングとは?

アーシングってどんなもの?
 アーシングとは、その名の通り「アースの強化」です。バッテリーのマイナス端子からエンジンの各部にアース線を追加してやるだけで、トルクや燃費がアップするというものです。
その効果は乗った人のほとんどが体感できるほど。 たったこれだけの作業で!?と信じられないような話ですが、私も実際にアーシングをしてみて、その効果に驚きました。

 アーシングの作業は、エンジンルーム内に配線を追加してやるだけなので、工作の得意な人なら自分でも簡単にできます。工作はちょっと苦手という人でも、カー用品メーカーから各車対応のアーシングキットなるものが販売されているのでご安心を。


アーシングの効果
具体的なアーシングの効果をここに書いておきます。

(1)低速トルクのアップ、燃費の向上、排気ガスのクリーン化
(2)エンジンの始動性の向上、アイドリングの安定化
(3)ヘッドライトの光量アップ
(4)オーディオの音質の向上

などが報告されています。
アーシングによってエンジンルーム内の電気の流れが良くなり、それによって点火プラグの火花が強くなるので、車が本来持っている性能が引き出せるようになるようです。


アーシングの考え方と理屈
 車で使われる電気は、まずバッテリーから出て各部の電装品を通って、そしてバッテリーのマイナスに戻ります。
しかし純正アースのままでは、電気抵抗の多いボディーをアースとしているので、使い終わった電気をスムーズに戻してやることができないのです。また、古い車では純正アースの容量が少なく設計されている上に、アース接点の劣化、酸化などによって、さらに電気抵抗が大きくなっています。
そこで、よく電気を使う部分からバッテリーのマイナス端子までを、アース線で直接つないで電気の流れを良くしてやろうというものです。

 ・・・とまあ、これが一般的なアーシングの考え方なのですが、ボディーアースで十分だという説もあり、実際はまだはっきりとした原理は解明されていないようです。

 でも、理由はともかく明らかに効果があるのは事実です。
実践されているほとんどの人が、トルクや燃費のアップを体感しています。実際に私の車でもトルクがアップして、低回転からの加速がずいぶん楽になりました。

だれでも簡単に安くできて、しかも効果はバッチリ体感できるほど。
これはもうやってみるしかないでしょう!


何がいるの?

まずは必要な物をそろえましょう

■材料
(1)電線
できるだけ太いもの。(8スケア〜14スケアのもの)
電気材料店で聞いてみると適切なものを出してくれるでしょう。
私は8スケアのKIV電線を5m買いました。
【価格】5mで1000円くらい
(2)圧着端子
電線と同じサイズのものを10個前後。
M6〜M8のボルトで止められるものが良い。
私は8スケア-?8のものを20個買いました。
【価格】1個30円程度
(3)ボルト、ナット、ワッシャー
圧着端子を固定するのに使います。
M6やM8の六角ボルトで材質は鉄メッキのもの。ステンレスや黒皮付きのものは通電性が悪いようです。
車種によって、取付けられる場所がさまざまなので、現物合わせで使えそうなものを買っておきましょう。

(4)熱収縮チューブ、耐熱シート、タイラップ(結束バンド)
アーシングコードの保護や固定に使います。
手に入る方は、お好みで使うとよいでしょう。

■工具
圧着工具、ニッパー、ソケットレンチ、ドライバーなど。

 ご家庭で圧着工具を持っている方は少ないと思いますが、安全、確実に取り付けるためにも、購入されることをオススメします。
工具店やホームセンターなどで手に入ります。

【価格】
8スケア用・・・・3000〜4000円
14スケア用・・・7000〜8000円


作業時間は?
 2〜3時間もあれば大丈夫です。
材料を買い出しに行って、取付け場所を考えながら作業しても、一日あれば十分でしょう。


注意事項
■安全のため、作業する時は必ずバッテリーのケーブルを外しておきましょう。
 外す時はマイナス→プラスの順で
 付ける時はプラス→マイナスの順で行うようにしてください。


圧着端子の取り付け

圧着端子は、安全、確実に
 圧着端子を取り付ける時には、圧着工具を使用して確実に圧着してください。
いいかげんな取り付け方をすると、接触不良による発熱や発火、また振動で外れてファンベルトなどへ巻き込まれる可能性があります。
 アーシングをするためだけに高価な圧着工具を買うべきかと悩んでいる方も多いと思いますが、安全性、安心感を買うつもりで購入されることをオススメします。(圧着端子はかなり硬いので、ペンチなどではしっかり固定できません。ご注意!)

用意したのは8スケアのコードと圧着端子(サイズ8スケア−?8)
用意した圧着工具は最大8スケアのもの。
圧着端子と圧着工具のサイズは同じものを使うのが基本です。

大きいサイズの圧着工具がある場合は、圧着端子を1サイズ大きいものにすると、2本留めなどの応用ができます。
まず、ニッパーやカッターでコードの端をこのくらいカット。
芯線を傷つけないように注意。
圧着工具のハンドルをぎゅっと握って、ロックを解除します。
呼び寸法に合ったダイス部で、落ちない程度に圧着端子をくわえさせます。
この時、圧着端子のロウ付け部(つなぎ合わせ部)がオンダイス側(オス側)に来るようにします。
圧着端子から芯線が約1mm出るところまでコードをさし込みます。
ハンドルを握って圧着します。
結構力がいるので両手でいきましょう。

片手式圧着工具ではラチェット機構によって、圧着が完了しないとハンドルが開かない構造になっています。
圧着が完了してハンドルが開くまで荷重を加えて下さい。
圧着するとこんな感じになります。
正しく圧着されたか確認します。
裏側には使用したダイスが確認できるよう、端子に圧着マークが付くようになっています。

これで取付け完了です。
あとはお好みで、熱収縮チューブなどで保護するとよいでしょう。


アーシングの取り付け

まずアーシングする場所を決めましょう
 アーシングは、電気をたくさん使うと思われる場所のマイナスから、バッテリーのマイナスまでを、太い電線で直接つないでやるのが基本です。

代表的な場所は
(1)シリンダーヘッド
(2)エンジンブロック
(3)インテークマニホールド
(4)インジェクション部
(5)オルタネータ(発電機)
(6)ボディー純正アース部
などです。

それ以外でも、お好みでいろいろな場所からアーシングすることで、いろいろな効果が得られるので、あなたのオリジナルのアーシングポイントを探してみるのも楽しいでしょう。

どこからアーシングすればいいのかわからない場合は、テスターを使ってマイナス部を確認してから作業してください。
ゴムでカバーされている端子などは、プラスであることがほとんどなので、絶対にアーシングのコードを繋がないようにしましょう。(ショートしてヒューズが飛びます。)
不安な場合は、アーシングする場所を決めたら、車に詳しい人に確認してもらうと安心ですね。


車に取付けてみよう
 さあ、それでは実際に車への取付けです。
ここでは私の車(ホンダ・シビック)を例に、解説していきます。


■取付け方の手順とコツ
(1)まず、アーシングする場所からバッテリーまでよりも少し長めにコードをカットし、その片側だけに圧着端子を取付けます。
(2)その圧着端子をアーシングする全ての場所に取付けてから、コードのもう片方をバッテリー近くに集めて、正確な長さにカットします。この時、コードを固定する場所や、コードの取りまわしなどを考えてからカットしましょう。
 また、エンジンは予想以上に振動します。エンジンが振動しても大丈夫なように、5cm程度は長さに余裕を持たせるようにしてください。
(3)バッテリー側にも圧着端子を取付けて、バッテリーのマイナス端子に接続します。

■純正アース部

やっぱりまずはここでしょう。
純正アースのボルトで共締めします。
なお、純正アースのコードは残しておきましょう。
■シリンダーヘッドカバー

ここも見逃せない重要な場所です。
プラグのまわりを重点的にアーシングします。

タップ穴が開いていたので、ボルトで固定。
■インテークマニホールド、インジェクション

最近の車はほとんどが電子制御の燃料噴射です。
正確な燃料噴射をするために、インテークまわりにもアーシング。

上部に付いていたブラケットのボルトを利用して固定。
■イグニッションコイル

点火プラグに送る電気を作り出す場所です。

ここは取付ける場所が無かったので、プラスチックカバーの上からボルトを通してのアーシングになってしまいました。
■バルクヘッド部

運転席まわりにも電気を使う部分はたくさんあります。
オーディオの音質アップのために、ここにもアーシング。

ここもブラケットの取付けボルトを利用して固定。
■オルタネータ(発電機)

ちょっと奥まって見にくいですが、オルタネータは電気を作り出す源です。

ここも取付けブラケットのボルトを利用して固定。
それらのコードをバッテリー付近で集めて、適度な長さにカット。

そして圧着端子を取付けます。
コードをまとめてバッテリーのマイナス端子に取付けます。

ここは頭と腕の見せどころです。
私は長めのボルトとナットを利用して、ホラこのとおり!
エンジンルーム全体です。

たるんだアーシングのコードは、エンジンの振動や熱の影響を受けない場所に、タイラップ(結束バンド)などで固定しておきましょう。

これで完成!
お疲れ様でした